秋田県湯沢市の郷土料理・ご当地グルメ
稲庭うどん(いなにわうどん)は、四国の讃岐うどん、名古屋のきしめんとともに、日本三大うどんのひとつとして全国区の食品です。その形状は、やむぎよりやや太めの乾麺で、平べったい形状が特徴です。麺は中空になっているため食感が滑らかなのもその特徴と言えます。
その発祥は、「稲庭古今事蹟誌」によれば、寛文年間よりも前の時代に秋田藩稲庭村小沢集落(現材の秋田県湯沢市稲庭町字小沢)に住んでいた佐藤市兵衛が作ったという説があるほかに、製法技術が日本海交易で福岡からもたらされたと言う説など諸説があります。
稲庭うどんは美味であることで定評があり、おいしいうどんの共通点は、いずれもがコシのある歯ごたえと、なめらかな舌ざわり、さらにはツルツルした味わいです。それに加えて稲庭うどんには繊細な線の細い上品さがあります。
稲庭うどんに使用される小麦は、栽培の季節で、春小麦と冬小麦に分かれ、粒の色により、赤小麦と白小麦、粒の固さにより、硬質小麦、中間質小麦、軟質小麦に分けら、その組み合わせで、軟質白小麦と呼ばれます。
小麦のたんぱく質はグルテンで、小麦粉を水でこねると小麦粉に含まれるグルテニンとグリアジンという二つのたんぱく質により、小麦粉特有の弾力性と粘着性を持ったグルテンが作られます。稲庭うどんの歯ごたえはグルテンの働きがあるからです。
すなわち、稲庭うどんが誕生したのは、たんぱく質の多い、良質の小麦の産地だったからと言えます。
また、従来からうどんの味の決め手となる作業は、捏ねる工程で、捏ねることでうどん生地に含まれる余分な空気をしっかり押し出します。さらに平たくする段階でも空気出しがおこなわれるので、シャキっとした歯ごたえがあり、コシの強い美味しい稲庭うどんに仕上がります。
このように大変な手間と労力を要するのが、稲庭うどんですが、これを食するとなると、それこそアッと言う間にいくらでも喉を通ります。これはまさにうどんにとってはうどん冥利に尽きるでしょう。
ところで、この稲庭うどん発祥の地とされる今の湯沢市は、誰もが知っている伝説の歌人、小野小町の出生地として、余りにも有名です。つまり小野小町が有名で、秋田小町というブランドのお米もあります。
小野小町は絶世の美女として七小町をはじめとする数々の逸話があり、後に能や浄瑠璃の題材としても使われています。色白の肌と言えば大相撲の第38代横綱照國万藏や強い大関として知られた清國勝雄なども湯沢市の出身です。お相撲さんはどれ位の量の稲庭うどんを食べるのでしょうか?気になりますね。
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