青森県八戸市の郷土料理・ご当地グルメ
東北地方での伝統的な郷土料理に、いちご煮(いちごに)があります。これは青森県八戸市周辺の三陸海岸の伝統的な料理で、キタムラサキウニ、エゾバフンウニなどと、アワビ(ツブ貝も使われる)のお吸物です。
いちご煮という名前は、赤い色のウニが、野イチゴのように見えるからです。いちご煮は、ウニとアワビの薄切りを煮て、塩と少量の醤油で味付けをするだけのシンプルな料理で、何かと-お目出度い日の食卓に欠かせない贅沢なお吸い物としての存在感があります。
いちご煮のレシピを紹介しましょう。材料は、ほたてのひも、あわび、だし昆布、木綿豆腐、そして主役のウニです。
調理方法は、ほたてのひもをスライスして下茹でしておき、とだし昆布で出汁をとり、ほたてのひもと、だし昆布は後で利用します。この出汁であわびを煮て、身はスライスし、肝はみじん切りにします。次に、水気を切った木綿豆腐を手でくずし、卵白と片栗粉と塩を加えまぜあわせて、蒸します。それを油で軽く揚げて、片栗粉でとろみを付けてからお椀に盛り付けます。
お椀に盛られたウニがだし汁とあわさり、朝露のなかの野いちごのようないちご煮が完成します。東北各県は、それぞれ独自のこのようなお椀物の郷土料理があり、いちご煮は、結婚式の披露宴などお目出度い食卓を飾る一品として欠かせません。
いちご煮の発祥地とされる八戸市(はちのへし)は、青森県東南部に立地し、太平洋に面する施行時特例市で、青森市および弘前市とともに青森県を代表する都市です。
八戸市出身の著名人は何人もいて、中でも特筆すべきは、女子レスリングの選手と言えます。アマチュアレスリングで有名な伊調馨は、アテネ五輪で金メダルを獲得して青森県県民栄誉賞・八戸市市民栄誉賞を受賞し、北京オリンピックで金メダルを獲得して、青森県県民栄誉大賞と八戸市市民栄誉大賞し、さらにロンドン五輪でも金メダルを獲得して2回目の青森県県民栄誉大賞、八戸市民特別栄誉大賞を受賞という輝かしい栄誉記録をうちたてています。
伊調姉妹の姉の伊調千春も、アテネオリンピックと北京オリンピックのレスリング女子48kg級銀メダリストですし、小原日登美はロンドンオリンピック女子レスリング48kg級で金メダリストに輝いています。
伊調姉妹も小原日登美も、ほぼ間違いなくいちご煮を子供の頃から食していたことでしょう。
ちなみに、スポーツ以外に目を向けると、3代目桂 小文治は、八戸市出身の落語家で、上方落語に東北出身はやや珍しい存在と言えるかも知れません。
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