福岡県福岡市の郷土料理・ご当地グルメ
がめ煮は、ルーツは朝鮮とのことですが、懐かしいお袋の味として、福岡県一帯で、お目出度い時には欠かせない一品となっている福岡の郷土料理です。
がめ煮は、一般的には筑前煮と呼ばれていますから、筑前煮なら誰もが知っているでしょう。
そうです、がめ煮は鶏肉を里芋やごぼう、にんじんやたけのこなどと一緒に煮込む料理です。なお、名前の由来は、博多の方言の「がめ繰り込む(」=いろいろな材料を混ぜるという言葉)が簡略化されて「がめ煮」になったという説のほかに、文禄の役で朝鮮に出兵した兵士たちが当時スッポンと野菜を混ぜて煮た「亀煮」という食べ物から来たという説があります。
発祥はともかくとして、がめ煮は福岡県一帯では、お正月など慶事には必ず食卓に並ぶ一品です。
さて、がめ煮を作るレシピなどをご紹介しましょう。
材料は、主役は鶏もも肉で、そのほかにごぼう、にんじん、れんこん、椎茸、里芋、黒コンニャク、絹さやです。調理と味付けには、サラダ油、かつお出汁、酒、みりん、しょうゆ、砂糖と塩 少々です。
まずは、鶏肉と椎茸は一口大に切り、ごぼうは削ぎ切り、れんこんとにんじんは乱切りにして水にさらします。里芋は皮をむきてから乱切りにして塩でもみ洗いしてぬめりを取り、水洗いします。
コンニャクはスプーンでちぎり、ひと沸かししてあく抜きをします。鍋に湯を沸かし、塩を加えて絹さやを軽く湯通して氷で冷ましておきます。
次いで、鍋にサラダ油を入れて熱して鶏肉を炒め、それかられんこん、ごぼう、椎茸、人参、コンニャク、里芋を加えて炒めます。
次に、かつお出汁を入れてから酒と砂糖を加えて、落し蓋をして10分くらい煮ますが、あくが出るので、まめにすくいます。最後にしょうゆ、みりんを加えて10分煮ると出来上がりで、皿に盛り、絹さやを上に飾ります。
がめ煮には具がたくさん入っていますが、福岡市出身の有名人もたくさんいます。
政治や経済界にも多くの人がいますが、城山三郎の「落日燃ゆ」のモデルとなった第32代内閣総理大臣の広田弘毅が福岡市出身です。実業家では、三井中興の祖ともいえる團琢磨が福岡市出身です。團は三井三池炭鉱の近代化を進め、そこで得た利潤をもとに三井財閥を形成します。
作家では、錚々たるメンバーがいて、「セーラー服と機関銃」の赤川次郎、最後の無頼派作家・文士ともいわれる檀一雄、ムツゴロウの畑正憲などが福岡市の出身です。
歴史上では、福岡ゆかりの有名人といえば「軍師・官兵衛」こと黒田官兵衛。黒田家では、栄養バランスよく、さまざまな食材が盛り込まれた「がめ煮(筑前煮)」を、戦陣料理として食していたといわれています。
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