福島県会津若松市の郷土料理・ご当地グルメ
こづゆは、福島県でも特に会津と関係が深い郷土料理で、会津人のもてなしの心が特製の会津椀に凝縮されています。
こづゆは、小さめのお椀で食卓に出されます。結婚披露宴などの冠婚葬祭の会席や、お目出度いお正月などには、食卓に無くてはならない一品です。
こづゆの主役は、ホタテの貝柱で、これでだしを取り、そこに小さく切った豆麩(まめふ)やにんじん、しいたけ、里芋やキクラゲ、さらに糸こんにゃくを加えて薄味に調えたお吸い物です。なお、こづゆを入れるのは、会津塗りの椀でなければならないというところにもこだわりがあります。
こづゆは、このように数多くの食材が使われる贅沢な料理ですが、おかわりを何杯しても構わないという習慣があり、これが会津人のもてなしの心とされています。
会津藩のご馳走料理であるこづゆは、伝統と歴史を重んじる会津地方では欠かせないもてなし料理で、その材料の数は縁起のよい奇数が好ましいとされているところも、古くからの会津人の繊細で妥協を許さない頑固さがあるようです。
では、こづゆのレシピを詳しく見ましょう。材料は、干し貝柱、鶏もも肉、里芋、にんじん、大根、ごぼう、糸こんにゃく、豆麩、きくらげ、銀杏などで、味付けには、ほんだし、しょうゆとみりんが使われます。
こづゆの材料のすべては、内陸地方で入手が可能なものばかりで、実際の調理方法は、ホタテの貝柱を出汁に戻してからほぐします。鶏肉、里芋、にんじん、大根、ごぼう、糸こんにゃく、豆麩、きくらげ、銀杏など(家庭により材料は若干変わります)を加えて煮込み、日本酒と醤油で薄めの味に整えるのが特徴です。
なお、付記しますと、現在は「こづゆセット」が土産屋で販売されていますから探してみましょう。
こづゆ発祥の地とされる、会津若松市と周辺(例えば喜多方市)は、数奇な歴史の波に翻弄された地域といて知られています。それは有名な飯盛山での白虎隊に代表される会津戦争の舞台だからです。
ここで会津若松市出身、およびこの地にゆかりのある著名人を見ますと、新島八重(にいじまやえ)の名が、江戸時代末期から昭和初期の日本の女性としてあげられます。八重は同志社創立者の新島襄の妻として知られていて、また大山捨松(おおやますてまつ)は教育者大山巌の妻として有名です。2013年、NHK大河『八重の桜』では、綾瀬はるかが新島八重を演じていたのが新鮮でした。
時代を現在に早送りすると、画家でセツ・モードセミナーを創設した長沢節や、渋い個性的な演技でファンを獲得した俳優の佐藤慶も会津若松市の出身です。
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