茨城県水戸市の郷土料理・ご当地グルメ
そぼろ納豆は納豆の料理、というよりは、お惣菜です。ご飯に良く、酒の肴にも合います。
そぼろ納豆は、水戸納豆に切干大根を加えて、しょうゆで漬け込んだもので、使用する納豆まめは小粒が特徴です。
小粒大豆は古くから栽培されていて、豆腐や味噌の材料としては不向きですが、納豆にはピッタリのサイズと言えます。
水戸納豆が全国区になったのは藩政時代が過ぎた明治以降で、鉄道の水戸線が開通されたのを機に水戸の土産品として天狗納豆が売り出され、その後、広く販売されるようになり、水戸が納豆の産地として有名になりました。なお、そぼろ納豆に使われる納豆は一般的に「糸引き納豆」です。
納豆には、血液凝固因子を作るために必要なビタミンKや大豆のタンパク質が豊富に含まれていて、食物繊維も豊富です。食物繊維はオリゴ糖同様にプレバイオティクスと言う腸内環境を整えるのに有効な成分で、したがって、納豆菌はプロバイオティクスと呼ばれています。
さらに、納豆には殺菌作用があり、O-157を抗菌する作用があります。そのため、抗生物質が無かった頃には、赤痢やチフスなどの伝染病に対する薬として使われていました。また、納豆には病原性大腸菌やサルモネラ菌への抗菌作用もあることが分かっています。それは納豆に含まれるジピコリン酸が抗菌作用を持っているからです。
もっと詳しく、納豆と栄養素についてみてみますと、含まれているビタミンK2は骨タンパク質の働きや骨形成を促進するので、特定保健用食品として許可されています。まだあります。納豆に含まれるポリグルタミン酸はカルシウムの吸収促進効果があるので、納豆から抽出されたポリグルタミン酸が特定保健用食品として許可されています。
ただし、大豆自体には有毒なタンパク質含まれているため、生で食することはできません。そのため、納豆菌を繁殖させることで、納豆菌から分泌されるプロテアーゼで大豆の中にあるタンパク質を分解させて納豆を作ります。
そぼろ納豆のレシピを紹介しますと、材料は水戸納豆と切干大根、それに少量の塩と醤油です。 切干大根は十分に水洗いしてから水を切り、塩ひとつまみで塩漬けにします。良くかき混ぜた納豆と切干大根を合せて、さらにかき混ぜて、醤油を少し入れて出来上がりです。
そぼろ納豆を食べている、あるいは好きな茨城県、あるいは水戸市出身の有名人には、直木賞と菊池寛賞を受賞した作家の永井路子(古河市)、NHKの大河ドラマなどの音楽を担当する作曲家の池辺晋一郎(水戸市)、軽妙なトークで人気があるマジシャンのマギー司郎(下館市=筑西市)、人気タレントの松居直美(筑波郡谷田部町=つくば市)がいます。
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