高松市 おせち 取り寄せ

あんもち雑煮（主な発祥地：香川県高松市・坂出市・丸亀市）

　あんもち雑煮は、あんこと白味噌という独特の組み合わせで美味しい雑煮を作るという発想がユニークな香川県の郷土料理です。あんもち雑煮は、煮干しと白味噌の汁の中に大根やにんじんなどを入れて、そこに丸もちを入れますが、もちの中にあんこが入っているのが特徴と言えます。

　なお、白味噌を使うのは保元の乱（1156年）に敗れ、讃岐に流された崇徳上皇のもとへ、京から往来する人々が京都から伝えたという説があります。

　また、もちの中にあんを入れるのは、江戸時代に讃岐三白と言われた塩、砂糖、木綿の名産品の砂糖をたまには食したいと言う希望からのようで、したがって、あんもち雑煮は今でも香川では正月の定番料理になっています。

　あんもち雑煮の材料は、あんもち、大根、にんじん、ほうれん草で、それにいりこ出汁と白味噌です。

　あんもち雑煮のレシピ・作り方は、大根とにんじんは輪切りにして、柔らかくなり過ぎないように下茹でして、いりこ出汁で味付けをします。なお、ほうれん草も下茹でして、食べやすい大きさに切ります。

　それから、いりこ出汁に白味噌を溶き入れ味を決めて、あんもちと大根、人参、ホウレンソウを器に盛り、そこに白味噌汁を入れれば出来上がりです。

　ちなみに、調理のコツと言いますか、お祝いの意味合いでは、大根とにんじんを輪切りにするのは家族円満と日の出を表しているそうです。なお、ほうれん草のほかに、青のりや刻み大根の葉などを加えてもでも美味しく食せます。

　素朴でありながら美味しいあんもち雑炊の香川県出身の有名人、著名人をここで紹介しましょう。

　なにより驚くのがプロ野球系の名選手です。プロ野球殿堂入りした選手が、宮武三郎、水原茂、三原脩、牧野茂、中西太と５人、それも名選手中の名選手と呼ばれた人が高松から輩出されています。「瀬戸内少年野球団（舞台は淡路島）」という阿久悠の自伝的小説・映画もありますが、瀬戸内海沿岸での野球DNAは、かなり強力なのかもしれません。
　料理研究家の土井勝も高松の出身ですが、一風変わった「あんもち雑煮」に親しんでいた記憶もあって、日本の家庭料理の研究と普及に尽力したのではないでしょうか。この土井勝も強烈なプロ野球ファンで、かつての南海ホークスの合宿所食堂の献立を作成していたこともあったそうです。
　そして理由は分かりませんがハードアクション系の大家、大藪春彦と西村寿行がともに高松市出身なのも奇縁を感じます。