神奈川県相模原市の郷土料理・ご当地グルメ
かんこ焼きは、江戸時代から伝わる郷土料理で、春には山菜、秋にはきのこなど、四季折々の自然の食材を小麦粉を水で練った皮に包んで焼き上げた、相模原市津久井地区の伝統の味です。
「かんこ」は雅楽で使用される太鼓の一種で、この食べ物の見た目が似ていることでこの名前がついたと言われています。
当地は昔は稲作ができない山間地であったため、かんこ焼きはお米のご飯の代りに食べられていました。今では地元の各家庭では、おやつとして重宝がられています。
さらに、現在は地元の女性グループが手作りの味として、いろいろな食材を使って新しい味のかんこ焼きを製造して販売しています。
例えば、小麦粉の生地を発酵させて、具材にはフキや、シメジなどを使い、あるいは、クリやアズキ、カボチャやサツマイモ、さらにはリンゴや切り干し大根、漬物を使い、軽く焼いてから蒸かして作られる、かんこ焼きなどがあります。
なお、地元の有志による町おこしのためのかんこ焼きの製造・販売が以前から進められていて、最近では、イベントの屋台や津久井湖畔の売店などで販売されています。
このような食べ物は、今では米余り現象が見られますが、昔はお米は貴重な主食であったことを証明しているようです。そこで田畑が無い山間部では小麦や芋類が主食で、おかずは山菜などであったと想像されます。そして、そのような食環境が、かんこ焼きのような郷土料理になったのでしょう。
それを思うと、今の私たちは、贅沢な食生活をしていると言えますが、かんこ焼きのような素朴な味を今でも好むのは、自然志向が身体のなかに自然と備わっているからかも知れません。このような例は、かんこ焼きだけではなく、自然をじょうずに工夫した食べ物が郷土料理には多く見られます。
かんこ焼きの食感は、人の好みで異なるかも知れませんが、機会があったら、一度は食べてみたいと思う人は多いのではないでしょうか。
ところで、素朴なかんこ焼きが生れた相模原市からは、近代的なマシーンである自動車を使うF1レースで有名な片山右京も生んでいます。片山左京は今では登山家・自転車競技選手ですが、相模原市名誉観光親善大使としても活躍しています。
ほかには相模原市に住んでいるのは女優の白川和子や、往年の歌手、菅原都々子が居ます。ちなみに相模原市民会館の敷地内には「月がとっても青いから」という記念碑がありますが、それを見ると菅原都々子の歌声が耳に聞こえてくるかもしれません。
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