神奈川県横須賀市の郷土料理・ご当地グルメ
よこすか海軍カレーは、いわゆる「ご当地カレー」のパイオニアで、横須賀市名物です。
よこすか海軍カレーは、特別な具材を使用しているわけでもないのに、多くの人に好評の味です。材料は、カレー粉、小麦粉を炒めたルー、牛肉や鶏肉、にんじんやじゃがいも、玉ねぎです。
よこすか海軍カレーが神奈川県横須賀市の郷土料理と言われる所以は、その発祥である旧日本海軍食だからです。
戦前の日本海軍では、調理が簡単で栄養バランスが良いメニューとして、イギリス海軍のカレーシチューを採用していました。このシチューにとろみをつけて日本人の口に合うように調えて、ご飯にかけて食べるようにしたのが、横須賀海軍カレーです。
ちなみに、よこすか海軍カレーは、日本でのカレーのルーツとも言われていて、今は横須賀市では「よこすかカレーフェスティバル」も開催されています。なお、横須賀海軍カレーの特徴は、カレーに小麦粉を炒めて作ったルーを使うことで、昔から一般的に日本風カレーと言えば、この海軍カレーを指す場合が多いようです。
現在は、旧帝国海軍の流れを引き継いでいる海上自衛隊のカレーライスには、副食に、サラダ、牛乳、ゆで卵等が付いていて、艦内での乗組員の栄養に配慮しています。もちろん、海上自衛隊でのカレーは、「海上自衛隊カレー」と呼ばれています。ただし、各艦艇や部署ごとに独自の秘伝レシピが伝えられているため、カレーは艦艇や部署ごとに味が異なり、統一された味やレシピは無いそうです。
余談ですが、護衛艦は大型の冷凍貯蔵設備を備えていて、食材は一般の洋食店と同じ鮮度が維持されているそうです。また、海上自衛隊カレーは、味や香りが良く、コクがあり、ボリュームもあるので、人によっては、「一般の洋食屋のカレーよりおいしい」と言われています。
それにしても、横須賀海軍カレーというネームバリューはかなり一般に浸透していて、スーパーなどには、レトルトパックが棚に並べられると、すぐに売り切れるという話も耳にします。
ところで、横須賀海軍カレーならぬ、横須賀有名人レパートリーを見てみますと、政治やマスコミで有名な人がかなりいます。小泉元総理一家が横須賀市の名門であることは周知の事実です。また、芸能界にも例えば女優の田島令子をはじめ、多士済々の顔ぶれが見受けられます。
原子力空母問題や、米海軍の寄港地として何かと話題になる横須賀市ですが、平和な食べ物である横須賀海軍カレーを味わえる平和な現在の日本に住んでいて良かったと感じる人は多いでしょう。
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