高知県高知市の郷土料理・ご当地グルメ
皿鉢(さわち)料理は、高知県でも特に土佐地方での酒宴の席には不可欠な郷土料理で、かつおのたたきやお寿司を大皿に豪快に盛り合わせたものです。
このためには大皿が必要ですが、今の皿鉢のルーツは室町時代までさかのぼると言われています。当時は比較的深みのある高坏で、言わばお酒を飲むための器だったようです。それが江戸時代になってから「皿鉢」と呼ばれるようになったという説があります。
ちなみに、昭和43年から「南国土佐皿鉢祭」が開催され、皿鉢(さわち)料理の伝承と技術の向上がなされています。皿鉢(さわち)料理は、いわばバイキング形式を大皿に表現したような料理で、大皿には、かつおのたたき、かつおの刺身、お好みの姿寿司、お好みの巻き寿司に加えて、季節の果物や 煮もの、甘いヨウカンなどが盛りつけられます。
したがって、ホームパーティなどでの皿鉢(さわち)料理には、大きなお皿を用意して、その上に、海や山、川の旬の味覚を豪快に乗せますが、当然カツオのたたき・カツオの刺身などは欠かせません。
こうなると一品料理ではありませんから、どのような料理でも大皿に乗せることができれば、それは立派な皿鉢(さわち)料理と言えるでしょう。
これはホームパーティには向いていますから、持ち回りで友人や知人間での皿鉢(さわち)料理パーティを楽しむのも円滑なコミュニケーションの疎通にはいいのではないでしょうか。その際に参加者のそれぞれが手作りの巻き寿司などを持ち寄るとパーティが一層盛り上がるでしょう。
さてパーティが盛り上げるのに大活躍の皿鉢料理は、つまりお鉢(はち)に盛られた豪快な料理ということですが、土佐高知には「はちきん」という「男勝りの女性」を指す土佐弁があります。土佐女性の負けん気が強く、快活でいて常に前向きな振る舞いを指すことばですが、どこか皿鉢料理の本質に通じるものがあるようです。
高知ゆかりの女性著名人を並べてみると、その感を一層強く感じます。
遊廓、侠客といった社会のダークサイドから土佐人の気性を描いた宮尾登美子。劇団状況劇場・唐組、寺山修司主宰の天井桟敷などアングラ演劇の宣伝・舞台美術を手がけ一貫してシュールな絵画作品を制作し続ける合田佐和子。生の不条理を時にスラプスティック喜劇として、また時にクールなポエムとしてマンガに描き続ける西原理恵子。彼女たちが高知のはちきんの代表ではないかと思えます。
野球の盛んな高知県ですが、地元で最近話題なのが、阪神タイガースで守護神として大活躍したあと、MLBに挑戦した藤川球児投手です。MLBを離れた藤川選手は古巣のタイガースに復帰せず、生まれ故郷の高知の野球に貢献したいと、四国独立リーグに参加したのです。土佐の偉人・坂本龍馬に代表される、前向きつまり後戻りせずいつでも次のステージに向かうフロンティア精神のDNAが、彼にも宿っているのでしょう。
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