長崎県島原市の郷土料理・ご当地グルメ
具雑煮は、古く江戸時代に始まり、今でも人気の長崎郷土料理です。具雑煮は、その名が示すようにだし汁に丸もちと、折々のさまざまな具材を入れて煮込んだ雑煮です。
具雑煮は、寛永十四年(1637年)に起きた島原の乱の際に、山や海からいろいろな食材を集めて煮込んだのがその始まりとされています。
これに食事処を営んでいた人が文化十年(1813年)に味を調えて、料理として売り出したのが現在の具雑煮の原型だといわれています。具雑煮は本来は家庭料理ですが、お正月はもちろん祝いの席に出る郷土料理として有名になり、今では長崎市内の多くの飲食店で観光客に提供されています。
具雑煮の具材は盛りだくさんです。すなわち、丸餅、鶏肉、大根、にんじん、里芋、れんこん、どんこ椎茸、高野豆腐、焼きアナゴ、白菜、かまぼこ、ゆずの皮と水菜、油が具材です。なお、調味料は、だし汁、薄口しょうゆ、みりん、塩 です。
具雑煮の作り方は、あらかじめ、だし汁を用意しておきます。それから長崎産「焼きあご」を煮出して出汁をとりますが、お好みでかつお節、昆布を追加しても構いませんし、鶏ガラ出汁でも大丈夫です。
具材は食べやすい大きさに切ります。ここでは関東風に丸餅を焼いてみますが、島原では焼かずに煮るのが一般的です。
鍋にごく少量の油を引いて鶏肉を炒め、鶏肉の表面に火が通ったら、だし汁を加えます。だし汁が沸騰してきてから具材を入れて弱火で煮ますが、あくを取り、薄口しょうゆ、みりん、塩で味を調整して仕上げます。
水菜とゆずの皮以外の残りの具材を入れて、ひと煮立ちさせ、丸餅が柔らかくなったら最後に水菜と風味付けのゆずの皮を入れて出来上がりです。
具雑煮を調理するコツとしては、長崎県、島原半島でも家庭により材料や味付けはさまざまなようですから、このレシピにこだわらずに、そのほかの材料で具だくさんにしましょう。野菜たっぷりで栄養が豊富で、栄養バランスに優れたオリジナル具雑煮を作ってみましょう。これなら冷蔵庫の余り者の大半は利用できますから、お財布にも優しい料理です。
貝雑煮の発祥とされる島原の乱ですが、島原の乱といえば天草四郎というカリスマ総大将が有名です。天草四郎を主人公にした小説・映画・マンガは数多く創作されていて、映画・ドラマで天草四郎を演じた俳優には、沢田研二、窪塚洋介、黒木メイサ、志穂美悦子、上川隆也、成宮寛貴などがいます。
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