佐賀県白石町の郷土料理・ご当地グルメ
白石町須古地区発祥の須古寿しは、うるち米にもち米を加えた酢ご飯に、有明海のムツゴロウの蒲焼やしいたけ、卵、ごぼうなどを使うお寿司で、須古地区では今でもお祭りやお祝いの席に供される地域伝統のお寿司です。
須古寿しは、藩政時代の頃地元の農家の人々が時の領主へ感謝の意を込めて献上したお寿司だという言い伝えがあります。同じころ、時の領主が米の品質改良に努め、米が酒造米としても有名になりました。
須古寿しのレシピのポイントは、お米です。うるち米9に対して、もち米1の割合とするのが特徴です。。そのほかの材料は、しいたけ、むつごろうの蒲焼き、玉子、紅ショウガ、ごぼう、奈良漬、みつばとかまぼこが具材です。味付けには、塩、しょうゆ、酒と砂糖を使います。
お米は塩を少し加えて炊きます。
むつごろうの蒲焼きは骨をはずし身をほぐしておきます。なおこの骨は酢と砂糖を合わせてつけておきます。
しいたけは水でもどして千切りに、ごぼうはささがきにして、しょうゆと砂糖、酒で甘辛く味をつけておきます。玉子は錦糸卵にして、奈良漬はいちょう切り、紅しょうがはみじん切りにし、さらにかまぼこは湯通ししてからいちょう切りにします。
炊きあがったご飯を10分程蒸らし、熱い内につけ酢を混ぜながら冷まします。酢ご版が冷めたら、具材を彩りよくその上に乗せてできあがりです。
こうして見ると、須古寿しはいわばちらし寿司の一種と言えるでしょう。ただし、須古寿しの特徴は、お米の配分にあるようで、つまり全体の1割にもち米を使うことと言えます。これが須古寿し独特の味を演出するのでしょう。
さて白石といえば「日本三大歌垣」の一つとしても知られています。歌垣とは、古代日本の風習で、春と秋の特別な1日に、若い男女が多数集まり、飲んで食べて歌って豊作を祈る祭りで、現在でいえば婚活、マチ婚のようなものです。当時の「歌垣」では、まだ須古寿司はなかったでしょうが、美味しいお米をたんと食べたのではないでしょうか。
◆スポンサードリンク