山形県酒田市・鶴岡市の郷土料理・ご当地グルメ
どんがら汁は、山形県庄内地方の郷土料理として知られている漁師料理です。寒い時期に捕れるタラは、「寒ダラ」と呼ばれ、これを使うどんがら汁は、漁師が船上や浜辺で食べたのが始まりで、その後庄内地方では各家庭で食されています。また山形県各地では「寒ダラまつり」が開催され、どんがら汁を味わうことができます。なお、「どんがら」とは一般的に魚のアラのことを指す方言です。
なお、どんがら汁という呼び名の由来は、寒鱈の身とガラを使用することで、胴殻(どうがら)という発音が変化したとされています。現在では冬場には庄内各地で寒鱈まつりが開催され、学校給食の献立にも入っていて、一般的な家庭料理になっています。
どんがら汁の作り方は、豪快に寒ダラの頭から内臓までを鍋に入れて煮ます。それに味噌で味付けをして、ネギやえのき、しいたけ、白菜、しめじ、大根、春菊などの野菜類と木綿豆腐を加えるという極めてシンプルなもので、お好みで岩海苔を散らして食します。
このような料理は、漁師が考案したのが始まりということは具のメインが魚であることから、素直に理解できます。ただし、現在のどんがら汁は年月とともにその中に入れる具に変化が見られ、食文化の変遷の断片を垣間見ることができます。
ちなみに、どんがら汁は山形県庄内地方の料理で、庄内地方には鶴岡市と酒田市が並立しています。
鶴岡市出身の有名人には、テレビで活躍している、お笑い芸人のウド 鈴木が居ます。
酒田市出身の有名人には、昭和時代に活躍した写真家の土門拳が居ます。土門拳は酒田市名誉市民で、その作風は、リアリズムに立脚する報道写真をはじめ、各種のポートレートやスナップ写真、さらには寺院や仏像などの伝統文化財を撮影して、戦後の日本を代表する写真家の一人として有名です。
また、シャンソン歌手、カンツォーネ歌手として昭和30〜40年代のNHK紅白歌合戦の常連であった歌手の岸洋子も酒田市の出身です。岸洋子が紅白で歌った歌には、「恋心」「想い出のソレンツァーラ「夜明けのうた」わかっているの」「今宵あなたが聞く歌は」「希望」などがあり、そのほかにも「アリヴェデルチ・ローマ」や「ラストワルツ」などもヒットしました。
余談ですが、CMポスターの写真を撮影した土門拳は、印刷所で色校正をする際に、墨汁と筆で校正指示を出し、往復は印刷所が用意した車の言うVIP扱いであったと言われています。
ちなみに、東京の新宿副都心でいち早くオープンした京王プラザホテルでは、そのホールに土門拳の写真を数多く配して、来客の目を惹きました。
◆スポンサードリンク