山口県岩国市の郷土料理・ご当地グルメ
岩国寿司は、一度に3升〜5升のお米で作る豪快な殿様寿司という異名があります。なんと1斗のお米で作るということもあるとか、それにしても迫力のある寿司です。
岩国寿司は、れんこんやしいたけなどで飾りますが、具を何層も重ね押しをして仕上げる押し寿司でが、とにかく一度に使うお米の量が半端ではありませんから、食前には当然ながら、それを切り分けます。
岩国寿司の発祥は、藩政時代に岩国藩主に命じられて考え出された保存食という説、あるいは、藩主への献上品という説があることから、別名で「殿様寿司」とも呼ばれています。岩国寿司は、見た目が色鮮やかなことから祝いの席で喜ばれ、今でも地元のスーパーや観光客向けのご当地グルメとして評判を呼んでいます。
とにかく、1人前から、数人前を基準として一層で作られる通常の押し寿司とは異なり、大きな木枠の酢飯に、サワラやアジなどの生魚の身をほぐして混ぜ込み、その上に春菊などの青菜、岩国名産の蓮根や椎茸、錦糸玉子などを乗せて、それを何層にも重ねてサンドイッチ状にして重石で押し固め、木枠を抜いて、一人前サイズに切り分けるというのは他には例がありません。
ちなみに、岩国寿司の特徴は、層の区切りにバショウやハスの葉を用いることで、これがさらに色鮮やかにします。
しかし、さすがにこれは家庭では無理ですから、興味がある人はミニ岩国寿司に挑戦してみましょう、
なお、極論的に言えば、具はお寿司に適しているものなら何でも応用ができるのではないでしょうか。
ところで、豪快な岩国寿司発祥の岩国市の有名人、著名人をみますと、最も有名なのは小説家、随筆家、ファッション関連実業家として大正・昭和・平成を駆け抜けた宇野千代になりますが、岩国寿司の絢爛豪華さに負けない勢いが彼女には感じられます。
そのほか、大ヒット作「課長・島耕作」の作者で漫画家の弘兼憲史、フィールズ賞受賞の数学者・広中平祐、時代劇俳優として名を馳せた大友柳太朗などが岩国市出身者として成功を収めています。
米軍海兵隊と自衛隊の基地としての印象の強い岩国ですが、観光都市としての一面も持ち、錦帯橋・岩国城を中心とした市内各観光地には年間約300万人の観光客が訪れているとのことです。日本三名橋や日本三大奇橋の一つに数えらる錦帯橋観光をしたら、岩国寿司を精一杯、喉に放り込んでみるのも一興ですね。
◆スポンサードリンク