山梨県甲州市の郷土料理・ご当地グルメ
ほうとうは、栄養バランスが良く、消化しやすい食べ物で、古くは武田軍の陣中食とされたとも言われている、山梨県の代表的な郷土料理です。
ほうとうの特徴は、その幅広の平打ちうどんですが、そこにかぼちゃやねぎ、しいたけ、さらにはじゃがいもなどを加えて、味噌ベースで煮込んだ麺料理です。ほうとうは、うどんを生麺の状態で煮込むので、汁にうどんのとろみがついて、冷めにくいという特徴もあります。
戦国時代の甲州地方ではお米が貴重品で、川の進言堤を開発した、知恵者で知られる戦国武将の武田信玄がお米に代わる陣中食として考案したという、発祥説もあります。現在の山梨県内では、2005年市町村合併で誕生した甲州市で1981年から開催されている「武田陣中ほうとう祭り」をはじめ数多くのイベントが開かれて、ほうとうは全県民から愛着を持たれています。
ちなみに、山梨県内の家庭では、残ったほうとう汁を翌朝のご飯にかける「ほうとう飯」もあります。
信玄ゆかりのほうほうの材料は、ほうとううどん、かぼちゃ、にんじん、ごぼう、大根、あぶらあげ、なめこ、せり、豚のばら肉、かつおの出汁、清酒、白みそとたくさんあります。
ほうとうの作り方は、かぼちゃ、にんじん、ごぼう、大根は下茹でしておきます。 出汁に清酒を入れた鍋で下茹でした野菜を入れてのんびりと炊き、野菜がやわらかくなってから豚ばら肉と白みそを入れて、さらに炊きます。あぶらあげとなめこやせりを入れてから、最後にほうとうを入れて、少し煮れば、アツアツの美味しいほうとうの出来あがりです。
武田信玄は、多分数杯はお代わりをしたのではないでしょうか。
ほうとうの山梨県出身の有名人は、武田信玄は別格ですが、宝塚歌劇団を創設したことで有名な小林一三(阪急グループ創業者)は韮崎市出身です。数多くのタカラジェンヌを世に送り出した小林一三もほうとうが好きだったと想像できます。タレントから参議院議員になった元・郵政大臣の八代英太は、旧八代町(現笛吹市)の出身です。
また、ノーベル生理学・医学賞を受賞した有機化学者の大村智は、北巨摩郡神山村(現・韮崎市)の出身と、実に多士済々の感がる山梨県の人材です。
ほかには、「リツ子 その愛」「リツ子 その死」で知られ、タレントで女優の壇ふみの父親である小説家の檀一雄(第24回直木賞)やNHK大河ドラマ、樅ノ木は残ったをはじめ、五瓣の椿、赤ひげ診療譚、さぶその他で著名な山本周五郎も出身は山梨県です。
甲州市ゆかりでは、樋口一葉の両親の出身地であることから、先祖代々の墓と文学碑があります。
これらの有名人の幼少の頃からほうとうを食していたことは大いに推測され、多分好物のひとつであったと思われます。
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